アテナは彼を許した。

罪深い彼に、新しい『生』と新しい『身体』を与えた。



アテナは、私を許した。

罪深き彼を、愛する権利を与えられた。





サガと私は、誰からも認められる恋人になった。

思いを口にすることが出来る。

アテナに認められたことで、背徳的な気持ちは無くなった。

普通の

ごく普通の

幸せな

二人になれた。






相変わらず、サガの愛情表現は

言葉ではなく、

主に身体を介するものだけれど。




















「サガ。どう?」

「・・・・悪くない。」

「そっ、良かった。」






久々のお出かけ。

服装にだって、化粧にだって、気合いを入れる。

貴方に見合う女でいたい。

だから聞いているのに・・・。

似合ってると思うのなら

「悪くない」

じゃなくて

「似合ってる」

って素直に言って欲しい。

無理なことだけど。






「どうかした?」







何故か、私をじっと見つめているサガ。

何か考えているようで・・・。






「胸元が寂しいようだな。
 ネックレスでもつけたらどうだ?」

「ネックレス?
 でも、サガこの前つけてたら嫌がってたじゃない。」

「この前は、この前だ。」

「でた、我侭大王!!」

「この前の服はつけてないほうが良かったのだ。
 今日はつけているほうが良い。
 それだけだ。不満か?」

「色んな意味でね。」







私の嫌味にも、不適な笑顔を浮かべている貴方。

軽い溜息をつく。

負けを認める合図。

どうせ私は、貴方には勝てない。






「は〜、もういいや。つけてきますよ〜だ。」





踵を返して部屋に戻ろうとした。







。」







サガの腕が後ろから回ってきて、引き戻された。

目の前に広がる、怪しい笑顔。








「ネックレスよりいいものを思いついた。」

「?」

「胸元を飾るのにふさわしいものだ。」







白い肌に、赤い華が飾られた。






「〜〜〜〜〜〜サガァァァーーーー!!??」






白昼堂々の行動に、手で朱を隠しイタズラの張本人を睨み付ける。

















、よく似合ってるぞ。」






嬉しそうな、

楽しそうな、

幸せそうな笑顔を浮かべながら、

かつての悪魔がそう囁いた。


卯さ様からいただき強奪した黒サガ夢です!!
いえ、本当に『強奪』と言う言葉がピッタリ・・・(汗)
卯さ様のサイトにお邪魔した時に「幸せな黒サガが見たい!!」と駄々をこねたところ、
即座にこんな素敵なお話を届けてくださいました〜!!
メール開いた瞬間、葉月、鼻血による出血多量で一度死にました(爆)
こんな・・・こんな素敵なお話頂いちゃってよかったんでしょうか・・・?!
黒サガかっこよすぎ!!しかもネックレスの代わりにキスマ・・・(皆まで言うな)
むしろ全身に咲かせてくれと言わんばかりに一人鼻息を荒くしてしまいました。
なんだか読み返すたびに理性が失われていきますわ・・・!!

卯さ様、素敵なお話ありがとうございました!!