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「好き」だから

ずっと一緒にいられると思っていた・・・

13年前のあの日、あなたを失うまでは・・・






〜!」



12宮の階段を下りていたアテナの巫女・
そんなを大声を上げて追いかけてきたのはアイオロスだった。
は相手がアイオロスだと知ると急ぎ歩き出すが、すぐに追いつかれた。



「どこへ行くんだ?」



「ちょっと、そこまで・・・」



ぴったりと横を並び歩きながら笑顔で尋ねるアイオロスとは逆に、視線も合わせずに答える。



「そうか!なら俺も一緒に行っても問題ないな!」



「!」



は思わず足を止めると、アイオロスも足を止めた。



「駄目ですっ!」



「どうしてだ?」



「そ、それはっ・・・;」



は返答に困り再び黙々と歩き出した。



13年前、アイオロスとは付き合っていた。

いつも泣き虫だったを慰め、励ましてくれたアイオロスがずっと憧れていた。
身分違いだと自分に言い聞かせていた矢先に、アイオロスは「好きだ」といってくれた。
は嬉しくて泣きながら頷いた。
それからしばらくしてアイオロスは姿を消した。
アテナ殺害を試み、成敗されたと聞かされた。
あんなにみんなから慕われていたはずのアイオロスを、人々は取って返したように反逆者だと罵った。
しかしはそれを信じはしなかった。
確かにアイオロスは大罪を犯したのかもしれない、だがきっとそれには何か深い理由があるのだ考え、はアイオロスの真意を知るためにアテナの巫女になった。

それから13年の月日が経ち。
5人の聖闘士により明かされた事実は、にとってはあまりにも衝撃的だった。
アテナが戻り平和を取り戻す兆しを見せた聖域ではただ流れる時の中を、ただ抜け殻のように生きていた・・・。



(それなのにっ・・・!)



聖戦後、アテナの計らいによって蘇ったアイオロスはを見るなりのんきに一言。



!元気だったか?!』



15歳のままのアイオロスはそう言った・・・。



そして彼は13年の時を経て今、こうしての横にいる。



「今日はいい天気だなぁ〜」



まったく悩みのない笑顔で太陽を見上げるアイオロスに、の中で何かがキレた。



「〜〜〜・・・ア、アイオロス様っ!?」



「ん?」



足を止めて怒鳴ったに、アイオロスは笑顔で振り返る。



「わ、私にもっとっ・・・他に言うことはありませんかっ!?



「?」



眉を寄せ腕を組み、真剣に悩むアイオロスには続けて口を開く。



「私っ、変わったでしょうっ!?」



「・・・・・・。あっ!シャンプーを変えたのかっ!?」



「ちっ、違いますっ!」



「では、なんだ?」



首をかしげて不思議そうな表情を浮かべるアイオロスに、小さく深呼吸をする。



「私っ、年上ですっ・・・」



「・・・」



「13年前は私のほうが年下だったのにっ・・・!もう、アイオロス様より年上なんですよっ!」



・・・?」



アイオロスは13年前とまったく変わりない。
だが自分は違う。
13年の月日で歳を取り、外見も変わっただろうし、性格も・・・。
きっともうアイオロスが好きでいてくれた自分ではなくなっているに違いない。



「―――・・・っつ・・・!」



俯くと13年間、決して零れなかった涙が落ちていく。

アイオロスが蘇った時、嬉しかったが同時に不安だった。
あの頃のままではなくなった自分を見て、アイオロスをがっかりされるのではないかと・・・。
しかしアイオロスはに何も言わず、またその話に触れることなく、13年前と変わらぬ様子でに接してくれた。
アイオロスなりに気を使ってくれたのかもしれない。
しかしそれが逆にをますます不安にさせていた。
いつか、遠くない未来に改めて「好きでなくなった」とアイオロスからいわれるより、全てを「なかった」ことにしたくてはアイオロスを避けていた。



「・・・だが、俺はすぐにがわかったぞ?」



「!」



は、俺の好きなのままでいてくれたから。それに・・・」



少し沈黙してから口を開いたアイオロスは赤くなっていた。



「ず、ずっと綺麗になっていたから、驚いた・・・/////」



は自分もアイオロスと同じように頬が赤くなっているのを感じ、ますます俯いた。



「・・・が俺のことを、信じてずっと待っていてくれたことも。俺のために巫女になってくれたことも知っている」



「!?」



反射的に顔を上げると、笑顔のアイオロスがいた。



「死んでいた時のことは他に何も覚えていないのに・・・、のことだけはずっと側で見ていたように、なんでも知っているんだ・・・不思議だろう?」



「―――・・・・/////」



は胸がいっぱいになり、思わず両手で口を押さえる。
体が震えて、声が出ないをアイオロスは引き寄せて抱きしめた。



「待たせてすまなかった。もう、絶対に離さない」



「〜〜〜」



「俺はが好きだ」



あの時と同じのセリフ、変わらない笑顔のアイオロス。
そして今、自分の胸の鼓動もあの時となんら変わりはなかった。
そう、13年前のあの時との、アイオロスへの「思い」も何一つ変わっていない。



「・・・、私も、アイオロス様が好きですっ・・・」



は赤く染まった顔を、アイオロスの胸の中へと埋めた。



満月ミチル様のサイトがお引越しをされた際に、リンクの書き換えを忘れていた私……。
あまりにも失礼と思って、せめてものお詫びに!と夢をお送りする約束をしたのですが、
お礼を、と言われたのをいいことに私もリクエストしてしまいました。
あなた、自分のしでかしたことわかってます?>私

そんなわけでアイオロス夢を頂いてしまいました。
何でもアイオロスを書かれるのは初、とのことでしたが、
うちのロス兄さんと違ってなんて大人でかっこいい兄さんなんでしょう。
しかもちょっとボケボケなところもあって、一石二鳥!
これが本当のロス兄さんということなんですね、女神……!

>『もう、絶対に離さない』
ええ、私も一生離しませんとも(憑依霊のように)

満月ミチル様、素敵なお返しを頂きありがとうございました!